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酷道471号線を走ってみた

  ◆ 「”越中飛騨の開かずの酷道” 国道471号線楢峠(ならとうげ)を走ってみた」 ◆

                                                         2012年 11月10日(土)




【 酷道とは? 】

一般的に『国道』と言われれば道路の花形と言っても良いように、2車線以上&歩道付きという幹線道路というイメージだが、
ここで言う『酷道』とは、読んで字のごとく『ひどい国道』。 つまり国道なのに国道らしからぬ道路の通称なのだ。

定義としては様々にありますが、自動車教習所にてクランク実習が苦手だった人にはオススメ出来ない道路。

安易な気持ちで行くと良くて車に傷が付き、最悪の場合には自分の生死にも関わります。



【 国道471号線とは? 】

石川県羽咋市~岐阜県高山市までを結ぶ全長約160kmの一般国道。

途中石川県内は国道249号線と重複して富山県小矢部市へ。
その後、砺波市、南砺市、富山市と経由して岐阜県飛騨市、高山市へと抜ける国道である。

しかし、南砺市利賀村~富山岐阜県境~楢峠へと至る区間は豪雪地帯を通る山岳地帯のため道路が狭い。
また、豪雪地帯なために県境付近は毎年11月中旬から6月上旬までは冬季閉鎖されるので通行できる期間が非常に短い。
さらに度重なる路肩崩壊、側壁崩壊が頻発するので復旧工事通行止も頻繁に行われて工事が終わり通行できるのは
再び冬季閉鎖になる前の僅かな期間しかないのでファンの間からは別名「開かずの国道」とも言われている。



■ 実際に走ってみた。


先週、「日本最凶酷道」こと国道157号線温見峠越えしたばかりですが、次は富山県へ行きますよ?



午前10時。意気揚々と石川県を出発して到着したのは富山県砺波市。
ここから国道471号線経由して”富山の秘境”とも言われる南砺市利賀村へ向かうのですが・・・



(;゚ Д゚) …?!


開始早々、死亡フラグ立ちました。



いやいやいや、流石にそれはネタにもならん!! そんなわけで構わず進むことに・・・



スノーシェッドが連続する道路。画像は2車線ですが、1,5車線区間もあり勾配もキツいので決して楽ではありません。
ちなみに、時間帯通行止めは運良く通行可能時間帯に通れたのでラッキー♪



おっ、こんな山奥にも道の駅があるのか・・・あそこで休憩しよう。



道の駅利賀に至る直前にあるのが「富山名水”脇谷の水”」 天然の湧水に喉が潤いますが・・・



湧水が出るその先にあるのが、なんとも摩訶不思議な光景。



  世にも奇妙な富山県道59号線

富山県道59号線富山庄川線は富山市から砺波市までを結ぶ主要地方道である。
主要地方道とは都市と都市を結ぶ重要路線であり、2桁県道でもあるこの富山県道59号線。
だけど、この道路。『存在自体を抹消された謎多き県道』なんです。

というのも国土交通省やカーナビなどの主要地図にはこの県道59号線は存在自体がないことになっているんです。
そもそも、画像の県道看板の先を上っていくと50mほどで舗装路は無くなり獣道へ。
さらに途中でその獣道すら途絶えてしまうのです。車どころか徒歩での走破も不可能・・・だけど主要地方道。

多くの道路ファンがこの謎に挑もうと、この県道看板のところへ訪れるも謎のまま・・・
1994年(平成6年)に指定された県道なのに、誰が?何のために?そして本当の道路は何処なのか?謎だらけの県道でした。



奥歯に物が挟まったような、そんなモヤモヤした県道59号線の疑問を残しつつ道の駅利賀に到着です。
北陸地方でもごく初期の時期に作られた道の駅利賀。ここからは・・・



ご覧下さい、この絶景! 空気も澄んでておいしいです。



ちなみに、いま通ってきた国道471号線がコレ。山の稜線に沿って這うように登って来ましたw
無論、運転ミスったら谷底真っ逆さまです。



ちなみに、ここで海抜533m。東京スカイツリーよりは低いです・・・しかし、利賀まで遠いなぁ~



ちなみに現在、南砺市利賀村ではこの深い谷を利用して『利賀ダム』を建設しているみたいです。

 Before

この谷が・・・

 After

なんということでしょう!巨大なダムに沈んでしまうのです。スゲーなオイ。



ダムに架かる橋梁工事も進んでいますね。
利賀村中心街からアクセス向上を図る上で、ダム完成後には対岸の工事用トンネルが国道471号線バイパスになる予定。

まぁ、これまでの道だと冬場は本当に大変だろうしね。



そうこうしている間に南砺市利賀村の中心街に来ました。

TVアニメ「ture tears」舞台となったP.A.WORKS本社がある南砺市城端と同じ市内にも関わらず、向こうへ行くには
谷を越えて、山を2つ越えなければ辿り着けません。同じ市内とは思えないくらいのアクセスの不便さ。



道路が開通するまでは本当に秘境だったんですね。
そんな南砺市利賀村は、知る人ぞ知る「利賀そば」の名産地。ここの蕎麦は本当に美味しいんですよ?是非ご賞味あれ。

さて、利賀村で国道471号線は左折か・・・直進すると県道34号線に行っちゃうしね。



トンネルで山を一つ越えて、ようやく辿り着いたのが南砺市利賀村と富山市の境にある栃折峠。

南砺市内なのに住んでる人は県都富山市のほうが近いんだろうな~?ただし、道幅が極端に狭い!
あと蛇のようにウネウネと折り曲がるカーブの数々。おまけに森の中を通るので昼なのに暗い。なのに交通量が多い!!



半ベソかきながら必死で富山市側に下りてきましたw 
残念なことに(?)この栃折峠では道路改良工事が着々と進んでおり数年のうちには2車線のバイパスが出来るみたい。



もう、このまま帰ろうかな・・・とも思ったんだけど



ウホッ!良いおにぎり配置www



なになに・・・「11月15日から来年5月31日まで大長谷温泉より先は通行止め」か。

大長谷温泉といえば人家のある富山側の最終集落。要するに県境越えは15日以降は出来ないってことか・・・
えと、今日は11月10日。通行止め予告ってことは、今現在は通れるってことだよ・・・ね?



行くっきゃねぇwww(ぉ



先週の国道157号線温見峠の時もそうだけど、もう酷道中毒か若しくはドM属性かどっちかですね(苦笑)
というわけで、国道471号線で一番おいしい「楢峠」越えを目指し一路、岐阜県へ



雨も降って来て路面状態は最悪。国道標識を頼りに細い山道をひたすら進みます。



山奥に入ってくるにつれて紅葉も深くなってきます



耐性がついたのか?はたまた感覚がマヒしてるのか? 川沿いの道路も広いとすら感じてしまう・・・重症だよ、のぞみん。
しばらく走って、大長谷温泉に到着です。



そして、目の前に現れたのが緑色の頑丈そうなゲート。

この先が冬季通行止め区間。そして幾度と無く繰り返される路盤崩壊で閉ざされ続けた開かずのゲート。
通年通行止めも珍しくないゲートが開いている・・・これは覚悟を決めて進むしかない!!



「いざ楢峠へ!」と勢いよく進んだは良いけど・・・

・霧雨で濡れた路面
・落葉して雨で濡れた落ち葉
・ガードレールのない道で断崖絶壁
・落石の影響で落ちた石が道路のあちこちにゴロゴロ・・・
・交通量が皆無に等しいので荒れ放題の路盤
・所持する白い犬のお父さんの会社のスマホは勿論圏外表示。

これだけでも死亡フラグ立ちまくりなのに、その先に待ち受けていたのは・・・

 

う、ウソだろ・・・なんだよ?この道路。

国道157号線同様、落ちたら死ぬ・・・っていうか、路面状況や危険度で言えばそれ以上にヤバイ!!
ビビッて後退することも出来ない。まさに進むも地獄、戻るも地獄。対向車が来たら一貫の終わり・・・



川沿いにこんな道がかなり続きます。おまけに目の前で小さな石の塊が落ちてきたし・・・(滝汗)
一応、念のために言っておきますよ?


富山県の県庁所在地、富山市内の国道471号線ですよ?ココ




平均時速10km/h以下という超最徐行運転でなんとか崖沿いのコースを抜けると・・・



富山・岐阜県境に到着です。やった~!



ここから岐阜県飛騨市に入るんだけど看板が拉げてる・・・雪の圧力でああなったのか。
そうだとしたら積雪量尋常じゃないんだなと再認識。



ちなみに、県境であるここは「楢峠」ではありません。峠は岐阜県側のもうちょっと進んだところね!
普通は県境が峠のてっぺんだけど、ここだけは違うんですね。



県境を越えるとしばらく山林の中を川沿いに進みます。国道のおにぎり標識が無いと本当に林道にしか見えない・・・
ちなみに、この時点で路面は半ダート状態。いわゆる簡易舗装になっていたので殆どダートみたいなものでした。

そのうち峠道に差し掛かり、再びガードレールの無い峠道をウネウネと登ります。



すると山奥には不釣合い過ぎる案内看板がある交差点に差し掛かりました。



ここが、岐阜富山県道34号線:主要地方道利賀河合線の交点。南砺市方面にはここから向かいます。富山県道34号線・・・



そう、先ほど利賀村の中心街で左折した交差点。実はあの交差点を直進すると最終的にここに辿り着けるんです。

「なら、わざわざ危険な国道471号線じゃなくてこっちから来れば良かったじゃん?」と思うかもしれませんが・・・



この県道、道路災害のため通年通行止めなんですよ!?
実は富山岐阜県境あたりは未舗装の場所も多く路盤も悪いため路盤崩壊や落石被害が酷いらしく通年通行止めなんです。
近年だと”通れるようになった”とは聞いたこと無いなぁ・・・酷道以上に酷な県道でした。



県道交点の交差点から少しだけ登ると一気に景色が開けました。そう、ここが・・・



国道471号線:岐阜県「楢峠」(標高1,220m)です。



やはり1,000m級の峠になると頂上で天候が一気に変わるんですね?
富山側では大雨だったのに、楢峠から岐阜側は晴れてる・・・遠く麓の景色まで一望出来る絶景でした。

さて、景色も満喫したし峠道を下るか!



・・・って、これ下るのか? 道路の形がすごいことに・・・



岐阜側は一気に峠を下るので、急なヘアピンカーブの連続。
しかも、カーブの途中も含めて対向車とすれ違いする退避スペースは皆無・・・しかも、この落ち葉!!

 

カードレールなんて親切な設備は一切無いので、ゆっくり慎重に・・・

 

わはー、落ち葉+コケまで生えてるよ・・・本気でスリップする要因が多過ぎて笑うに笑えない道路だ・・・



何たってこの状況じゃな・・・

こんな極限の状況にも拘らず、岐阜側からの上って来た日産キューブと、TOYOTAランド・クルーザーとすれ違い。
落ちる!落ちる!!・・・っていうか、あのキューブ、八王子ナンバーだったぞ!?



かなり下って来ました。ようやく広い退避スペースが・・・助かった~!

もう見慣れたとはいえ、ここが本当に国道なんだよな。



麓の終点まであと少し。おっ、国道らしく目的地の距離表示もあるのか。何々・・・



・ 富 山 60km
・ 南 砺 68km

ただし、道路事情は最悪です




国道360号線交点の交差点が見えてきましたよ?あともう少しだ



国道471号線「開かずの酷道」こと、楢峠を無事走破しましたよ!!



「ハァ~、あそこから下ってきたのか・・・」

楢峠を見上げながら、今まで通ってきた過酷な道程を思い出す。すごい所を通ってきたんですね。



ちなみに、合流した国道360号線を進んで天生峠を越えれば白川郷へ。白山スーパー林道を経由すれば石川まで帰れます。



あ、これが酷道ファンの間で有名になっている案内看板か・・・



国道471号線の行先表記が完全に覆い隠されてる・・・



こっちもか・・・

本来ならば【 R471 八尾 → 】と表示されていたはずの看板は消し去られていました。
まぁ、通年通行止めも珍しくないし、そもそもマトモな感覚であの峠道に行ったら遭難するって!!

※ちなみに、【天生峠】の表記も以前は【白川郷】でした。



国道471号線「楢峠」。

訪問した5日後の2012年11月15日(木)から再びゲートは閉じられて冬季通行止期間に入りました。
来年5月31日まで長い長い閉鎖期間に入ります。来年も災害なく無事に通れれば良いですね!



さて、そろそろ私も帰りましょうか。

国道360号線で天生峠を越えれば白川郷なので、五箇山を経由すれば石川県までスグに帰れるんですが・・・



「それじゃあ、面白くないだろ!?」という理由で・・・(←どんな理由だよw)

国道360号線を逆方面に進み、JR高山本線と併走しながら進むこと約1時間弱・・・

 

JR富山駅前まで来ちゃった!てへぺろ(・ω<)
そのまま、アニメイト富山でお買い物&駅前の新宿さぼてん(金沢には無い)で昼食食べてから帰宅しました。

国道471号線。身近な石川県が起点の国道ですが、その奥深さを我が身をもって痛感したそんな酷道ドライブ旅行でした。


 【 完 】



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